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2002年07月27日
『大魔法使いクレストマンシー トニーノの歌う魔法』
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著・野口絵美訳『大魔法使いクレストマンシー トニーノの歌う魔法』(2002年、徳間書店)
イタリアの小国カプローナでは、魔法の呪文作りで名高いペトロッキ家とモンターナ家が反目しあっていました。両家の魔法の力がなぜか弱まり、他国から侵略されるのではないかという危機が訪れます。この状態を打開するのに必要なのは、〈天使の歌〉を正しい歌詞で歌うことでした。しかし両家の大人たちは互いを責めあい、イギリスからやってきたクレストマンシーの「危機は邪悪な大魔法使いのせいだ」という忠告に耳を貸そうとしません。しかも、両家の子どもが一人ずつ、「呼び出しの魔法」で行方不明になってしまいます。両家が互いを非難しあう中、2人の子どもが行方不明になった自分たちの弟妹の行方を探そうとします。彼らは無事発見され、カプローナは危機から脱することができるのでしょうか?
登場人物が多くて、しかもけんかばっかり(=ごちゃごちゃしている)で、今まで読んだクレストマンシーシリーズ中で一番混乱しました。「これはどっちの家の人だっけ?」と首をひねりながら読んでいました。次から次へと事件が起こるスピーディーな展開は、やはり退屈させません。私は最初から「この人あやしい」と思っていた予想が当たったのですが、それ以外はやはり予想がつきませんでした。個人的に好きなのは、劇中劇というか、『パンチ・アンド・ジュディ』の場面です。天使に守られるというイメージも美しく、一度だけ旅行で行ったトスカーナの緑豊かな風景を思い出しました。
投稿者 Remi : 15:21 | トラックバック | 本の虫(読書の記録・絵本と児童文学)
2002年07月18日
『魔法の指輪』
ジョン・ベレアーズ著、三辺律子訳『魔法の指輪』(2002年、アーティストハウス)
夏休み後の新学期には中学生になるローズ・リタは、女の子らしくしなければならないことに不安と怒りの混じった感情を抱いていました。おまけに、親友のルイスはボーイスカウトのキャンプでいなくなってしまうのも不満でした。そんな彼女を、魔女のツィンマーマン夫人はミシガンへの旅行に誘います。変わり者のいとこが遺した農場を見に行くのが目的です。彼は魔法の指輪を見つけたと言っていました。そして農場に着いた2人に、不思議な出来事が次々に起こります。
誰(何)が不思議な出来事の原因になっているかは分かっているのですが、簡単に事件の真相には到達できません。前作『闇にひそむ影』では、自分の欠点を克服したくて、コインの魔法に魅せられたのはルイスでした。今回は、将来に不安を抱えるローズ・リタが、魔法の力に心を奪われそうになります。しかもそれは、困難を乗り越えたと思われたところです。ファンタジーとしての面白さだけでなく、そういう思春期の漠然とした不安もよく描かれていると思いました。
投稿者 Remi : 07:52 | トラックバック | 本の虫(読書の記録・絵本と児童文学)
2002年07月16日
『ダレン・シャン V バンパイアの試練』
ダレン・シャン著、橋本恵訳『ダレン・シャン V バンパイアの試練』(2002年、小学館)
これまでの読書記録を見てみると、読んでいたのに感想を書いていない本が数冊あることが分かりました。このダレン・シャンのシリーズも、感想をここで書くのは初めてですが、これまでに日本語で出版されたものはすべて読んでいます。私はこの本は、『ハリー・ポッター』シリーズよりも好きです。確かにストーリーそのものを不快に感じる人もいると思うので、誰もが気に入るとは思いませんけれど。原書を読んだことがないので分からないのですが、翻訳っぽくない文章(オリジナルの雰囲気から遠かったりしたらアレですが)が気に入っています。
前巻で決まった、ダレンがバンパイアとして認められるために受ける試練が、とうとう始まります。簡単にこなせるようなものはなく、ダレンは全力で取り組みます。その最中に意外なアクシデントが起こり、ダレンに危機が訪れます。しかしさらに大きな出来事が、バンパイア・マウンテンにもたらされようとしていました。
このあらすじでは物語の面白さを十分に伝えきれず残念なのですが、自分の目で見ることを楽しみにしている人もいるでしょうから、なるべくそういう人が読んでもネタバレにならないようにしようとすると、こういうあっさりとしたものになってしまいます(私自身も、図書館でリクエストしてから自分の番が来るまでに、1ヶ月待ちました)。ダレンが受ける試練は順調に進むかと思ったのですが、予想外の展開になります。私としては、読みながら予想していたことが確かに当たったのですが、ものすごくびっくりするくらい裏切られる出来事もありました。次の巻がとても待ち遠しいです。
投稿者 Remi : 07:50 | トラックバック | 本の虫(読書の記録・絵本と児童文学)
2002年07月11日
『大魔法使いクレストマンシー 魔女と暮らせば』
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著・田中薫子訳『大魔法使いクレストマンシー 魔女と暮らせば』(2001年、徳間書店)
事故で両親を失ったグウェンドリンとキャットの姉弟は、近所の魔術師たちに面倒をみてもらいながら生活していました。グウェンドリンの魔女としての能力は高く評価されていて、キャットはそんな姉をすっかり頼っています。やがて2人は、大魔法使いクレストマンシーに引き取られ、彼の城で暮らすことになりました。でも、きゅうくつな生活が我慢できないグウェンドリンは、魔法でさんざん嫌がらせをした後に、どこかに姿を消してしまいます。代わりに現れたのは、グウェンドリンとそっくりだけれど別の世界から来た別人だというジャネットという少女でした。周りの人たちにこのことが気づかれないように、キャットの奮闘が始まります。
彼女の作品は、とにかく女の子が元気というか積極的というか。特に今回のグウェンドリンの、やることのスケールの大きさには驚かされました。が、能力のわりに嫌がらせのレベルが低くて、そのギャップが何となく笑えます。まるで、戦隊モノの悪役が幼稚園のバスをジャックするみたいな感じで……。姉が姉だし、弟だからということがあるのかもしれませんが、キャットが頼りなさすぎ。もうちょっとしっかりしてほしいなあ、と思いながら読んでいました。これも『クリストファーと魔法の旅』と同様、姉に依存しきっていたキャットが人間的に成長する物語でもあると言えます。
クレストマンシーのこともよく分かってきたのですが、あのものすごい洋服のセンスはどこからくるのでしょう。あと、『クリストファーと魔法の旅』の伏線をすっかり忘れて(ネタバレになるので言わないですが)、あるサイトを見ていて「ああ、そういえばそうだった!」と思い出したことがあります。間が空いてしまったので、しょうがないかな。
投稿者 Remi : 07:48 | トラックバック | 本の虫(読書の記録・絵本と児童文学)
